フィッティングとチューンナップ
ブーツチューン、ふたつの領域 その1

一般的にブーツ調整のことをチューンナップと言いますが、SYROでは目的や意味合いによってその領域はふたつに分かれると考えます。

 まず、ひとつはフィッティングという領域。小指の付け根があたって痛いとか、偏平足で足がきちんと納まらない(ボトム部まで落ちない)、隙間があって動いてしまうなど、足の形状とブーツの形状とがアンマッチングの状態にあるものを解消するための加工で、ブーツシェル内部を削ったり、高温で熱変形させ、マッチングを図ります。

 もうひとつは、チューンナップという領域。例えば、X脚になってしまう、脛の前傾が深く入りすぎる、硬くて動けないなど、体の様々な特徴により、滑走中に理想的な姿勢を作れない、動きにくい、バランスを取りにくい、ターンのしやすさや質に左右差があるなど、身長・体重・骨格形状・筋肉の付き方や強さなどの「自分の身体」という条件がスキーブーツのデフォルトの設定とアンマッチングの状態にあるものを解消するための加工で、ブーツソールを削って角度をつけたり、アッパーの立ち上がりの方向や角度をを変えたり、シェルの強度設計を変化させたりして、最適なマッチングを追求します。

 イメージ的には、フィッティングは「快適性」を高めるための加工で、チューンナップは「質」を高めるための加工と捉えられがちですが、実はフィッティングをきちんと行うことが「質」のレベルを高めるための条件だったり、チューンナップを行うことで、フィッティングがより高いレベルで実現するなど、互いに強い関係性にあります。

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