インソール

お伝えしたいことは山ほどありますが、それは追々書いていくとして、何より重要な考え方についてちょっとだけ。。。
まず、よく聞かれることであったり、たまーに入れたいクツを持ってこないでインソールを作ってほしい、とご来店されるお客様がいるので、そのことからお話しします。
インソールは、足とクツ、両方に合わせて作る
インソールは、足に合わせて作る、という認識があるでしょうが、それは不十分です。インソールは、足とクツ両方に合わせる必要があります。
クツは土踏まず付近に「ランプ」と呼ばれる凸部があります。カカトの高さからつま先にかけて低くなっていく、そのカーブです。そのランプの角度のことをランプアングルと言ったりしますが、この形状や強度はクツによってまちまちです。
フラット目なクツに入れるインソール、ランプ部のアングルがしっかりあるクツに入れるインソール、同じでいいはずはないのです。
このことについては、別建てで詳しくお話しいたしますが、つまり、クツにも合わせてあげないと、作り手が狙う効果を使用者の足に効かせることはできないのです。
インソールは、足とクツ、両方に合わせて作るのがほんとう、なんです。
インソールは何のために入れるの? チューンナップは何のためするの?
スポーツ選手なら、「勝ちたい」とか「上手く・速く」なりたい、一般の方なら膝や腰の痛み、O脚・偏平足・外反母趾などを「治したい」、健康志向の強い方なら「より健康的」にとなるでしょうか。
SYROでは、インソールやチューンナップの目的について、こう考えています。
「正しく、自分の筋肉を使った、力強く調和のとれた運動ができるようにする」
スポーツで強くなるのも、痛みを解消するのも、長く自分の足で健康的に歩けるようにするためにも、これがもっとも重要です。そのための、各種調整です。
この仕事をしていて特に強く感じているのが「自分の筋肉をうまく使えていない方が非常にたくさんいる」こと。理由は様々あるのでしょうが、結果として今、使えていない。スポーツで頑張っている選手でも例外ではありません。
靴や靴下などの履物を使う現代人の足は、「保護」という要素を手に入れた結果、様々な大切なものを失ったという考えがあります。その結果、いわゆる「歪み」と称される諸悪の根源が出現し、「偏った動作、偏ったバランスから生み出される代償動作のオンパレード的運動」が時間の経過とともに完成していきます。
勝つための力強いパワーを生む運動も、痛みのない滑らかな運動も、
自らの筋肉を正しく動かしたときにのみ行われます。
自らの筋肉を正しく使うことができたとき、筋出力は最大値に近づき、
高いフィジカルパフォーマンスから繰り出される安定した動作、スムーズで調和のとれた動作、バランスのとれた美しい動作、疲労感の少ない動作が実現されます。
でも、これが実に難しい!
外反母趾、偏平足、O脚、X脚、それらから誘発されて起こる筋肉の偏向使用。
力はまっすぐに伝わらないので効率が悪く、結果の精度も低くなる。
出力も低いからさらに出力を上げる。
疲れがすぐにやってくる。
それでも頑張る。
そしてオーバーワークになって痛みが出て練習すらできなくなる。
ライバルからどんどん離されていく...
スポーツ選手あるあるですね。
そこで現れるのが、インソールというもの。
低下した土踏まずをサポートするから疲れない、アーチとカカトを支えて高い安定感、衝撃を吸収するから痛くない、熱成型で抜群のフィット感を得られる、専用マシンで足型に合わせて最高のパフォーマンスを提供...いろんなキャッチコピーが躍ってます。
とても良さそうなのに、「これがいいと店員さんにススメられて使っているのですが土踏まずが痛くて...」とご来店される方が多いのはどうしてでしょう。
足に合わせて熱成型までして作ったはずのカスタムメイドインソールなのに、
その上に立っているとシンスプリントの症状が出現してしまうのはどうしてでしょう。
一言でいうなら、「違うから」です。「だんだん慣れてきますから」「足が良くなると痛くなくなりますから」「痛いうちは良くないということです」店員さんにそう言われたそうです。
UNBELIEVABLE!!
残念ですが、使い続ければ使い続けるほど不幸です。
★ ★ ★
スキー、スノーボード、ボウリング、ゴルフ、サッカー、自転車...スポーツにはそれぞれ運動の特性があります。個々の身体にも個性があります。その個性が、求められる運動特性に対して良好に作用する場合はとてもラッキーなことですが、前述の「歪み」を抱えているような場合、多くは良好な結果を阻害する要因になっています。
各スポーツで求められる運動特性を理解し、スポーツバイオメカニクスの観点に立ち、
時には専門のドクターと連携しながら、身体的評価を行い、使うフットウェアの構造や強度等を理解し、場合によってはフットウェアの調整やリモデリングを行い、さらにインソールを用いて、
足が、使用するフットウェアの中で
「正しく、自分の筋肉を使った、力強く調和のとれた運動」
ができるようにする
この考えに基づいてフィッティングを行っています。
ほんとうのインソールとは何か、お確かめいただければと思います。

2Dの面圧マップの作成

クツのカカトやアーチ部、ランプ部の形状に合わせて、インソールベースをチョイスします

用途・運動特性に応じて、カーボンなどによるスタビライザや特殊加工を施します

オリジナルの表面素材を生かした加工も

採型フォームから得られる情報をもとにより緻密な加工が可能に

人それぞれの足の「今」を確認します。インソールに足型をコピーするためではありません

インソールが特殊な形状(写真ではカカト部が分厚い)の場合は、クツの方にも加工を施します(1)

インソールが特殊な形状(写真ではカカト部が分厚い)の場合は、クツの方にも加工を施します(2)

インドアスポーツなど、強く横へのテンションがかかる場合に縫製による補強を行ったりもします

クロックスのようなサンダルは土踏まず部の膨隆部を削ると、いい感じでインソールをインサートできます
セミオーダー | フルオーダー | 既製品 | |
概要 | インサートするクツの用途と使用者の身体的な特徴・パワー・ニーズ等を考慮し、たくさんのパーツから最適な素材をチョイスして作ります。 | インサートするクツの用途と使用者の身体的な特徴・パワー・ニーズ等を考慮し、2D、3D情報をもとにインソールベースをカスタムメイク。さらに最適なサーフェスなどをチョイスして作ります。 | 既製品として販売されているコンプリート、キュボイドパワー、カルパワー各種 |
インソールベース | 9種類 (キュボイドパワー×3、ストライカー×3、コンプリート他) |
カスタムメイク | |
クッション素材 | 5種類(厚み・材質) | 最適な素材を選択 | |
サーフェス | サーフェス素材3種類(人工レザー・人工スウェード・EVA) | ||
カーボン スタビライザ |
3種類(足根部0.3mm・0.6mm・0.8mm) | 3種類(足根部0.3mm・0.6mm・0.8mm) | |
2D情報採取 | フットプリントによる面圧測定で、足底面の2Dの圧力マップを作り、重心配分や足の使い方の癖、 タコや魚の目など角化した組織の有無など、「足の今」を写しだしてインソールづくりに反映させます。 |
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3D情報採取 | - | トリッシャム(採型用フォーム)で足の形状を3Dで採型します。 スタティック、ダイナミック、2種類の型をとることで アーチの変化も確認し、より詳細な「足の今」を写しだして インソールづくりに反映させます。 |
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価格帯 | 15,000円~30,000円 | 35,000円~50,000円 | 3,600円~26,000円 |
組込工賃 | 上記費用に含まれます | 2,000円~5,000円 (加工内容・時間により) |
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制作期間 | 約2時間~半日 | 約1週間~2週間(採型とフィッティング(納品)、 合わせて2回ご来店いただきます) |
組込希望の場合は30分~1時間程度 |